ほとんどの仮説の流行りには、いつか終わりが来ます。

どんな考え方にも時が経つにつれ「ほんとにそうなん?」という人が現れる。

科学はそうやって進化してきました。マージナル・ゲインも例外じゃありません。

マージナル・ゲインが世の中に流行を巻き起こしてから数年。当事者であるウィギンスをはじめ、最近になって疑問を呈する声が続々と現れています。

何事も、賛同するも批判するも、あなたの自由。

ただ、どちらにせよ正しい理解は必須です。

Twitterやネットの炎上って、殆どが誤解の連鎖ですよね。世の中から誤解が減ればどれだけ平和になることでしょう。

ということで、【Sky解体新書】第4弾はマージナル・ゲインにまつわる誤解を徹底解説。

9個だけなので良かったら読んでください。

参考ソース:

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誤解1:足し算である

©chariyorum

足し算じゃありません。掛け算です。

1%を365日足し合わせても4.65倍にしかなりませんが、1%を365日掛け続けると37.44倍になります。

たかが1%、されど1%、と言われるのはこうした理由があるのです。

誤解2:青天井である

Photo by Samson Creative. on Unsplash

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残念ながら、すべての要素を1%ずつ永遠に改善し続けることは不可能です。

最初が相当ひどければ別ですが、既に相応の努力をしているのであれば、1%の改善は、それを積み重ねていくに連れどんどん難しくなるでしょう。

誤解3:改善は蓄積可能である

Photo by Samuel Zeller on Unsplash

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1%の改善をしていると「あちらを立たせばこちらが立たず」という事がしょっちゅう起こりえます。

例えばホイールを軽量化したいとしましょう。

そうすると、どうしてもリム高は低くしたくなりますよね?

つまり空力が犠牲になる。

「自転車で走る」という要素を切り刻んで、そのすべてを向上させようとすると、そうしたトレードオフがそこかしこで起こるのです。

誤解4:全ての1%の改善は、もれなく1%のパフォーマンス向上につながる。

Photo by Samuel Zeller on Unsplash

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1%の改善をしたら、パフォーマンスも同じように1%向上すると思いますか?。

気持ちとしては、努力の分だけ強くなる!と信じたい所。

でも、なにかの要素(タイヤの転がり抵抗とか空力とか)が1%良くなったらタイムも1%良くなるのか?と問われれば、答えは限りなくNoです。

そんな単純じゃありません。

また、ちょっと論点はずれるのですが、1%筋肉を増やすことと、1%空力を良くすることは同じ重みじゃありません。

どっちがパフォーマンス向上につながるかはわかりませんが、明らかに効果は異なってくるでしょう。

誤解5:繰り返しが可能である

Photo by Jeppe Hove Jensen on Unsplash

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ある一つの要素について、1%改善する方法を見つけたとしましょう。

それをもう一度できるか?と言われれば、ケース・バイ・ケースだとしか答えられません。

例えばペダルを例に取りましょう。

金属製のペダルなら軽量化するために、カーボンにできます。改善。

次は空力を良くするために、スピードペダルのエアロペダルにしましょう。改善です。

早速難しくなってきましたね。

あ!ベアリングだ。ベアリングを良いものにかえよう。改善成功。

そういえばポジションもきちんと考えなきゃ、Qファクターとか。改善改善。

もうしんどい。

空力も良くなるし軽量化にもなるしクリート削って高さを低くしてみようかな。。

こんな感じです。

永遠に繰り返し続けることの難しさを感じていただけたでしょうか。

誤解6:常に新しい

Photo by Matt Palmer on Unsplash

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常に新しい改善の方法を求めることには限界があります。

1%の改善方法を見つけたとして、もし簡単にできるものなら、それはまたたく間に真似されてしまうでしょう。

逆に言えば、良い取り組みすら真似できない怠け者は生き残れないでしょう。

誤解7:簡単に計測できる

Photo by William Warby on Unsplash

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いろいろ試したうち、何がパフォーマンス向上につながっているのか、というのを検証するのは非常に難しい作業です。

空力とか転がり抵抗とか、重さならまだ分かるかもしれません。

スカイの有名な「同じ枕とマットレスを毎日使う」という改善が、どれだけパフォーマンス向上につながっているのか検証できるでしょうか?

これはかなりの無理難題。

メンタル面の話になれば、更に話はぼやっとしてしまいます。

誤解8:常に実現可能である

Photo by Japheth Mast on Unsplash

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誤解3「蓄積可能である」とも関わってくるこの誤解。

「あちらを立てればこちらが立たず」パート2です。

何かの要素を究極的に改善していくと、他の何かが犠牲になります。

例えば、空力を求めて極細のスポークがついたホイールを開発したとしましょう。

なんだか信頼できなさそうですよね。安全性が犠牲になっている。

理論上は空力低減が可能でも、実際に実現しようとすると新たな壁が現れます。

誤解9:安い

Photo by Michael Longmire on Unsplash

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前回の記事でも紹介した点です。

マージナル・ゲインを得よう。じゃあ自転車をゼロから開発しよう。ケミカル類やウェアもゼロから開発しよう。そうだ、チームバスと機材トラックもカスタムで作らないと…。

お金がかかって仕方がありません。

アマチュアにとっても、マージナル・ゲインは効果があるのか?

いかがでしょう。一個でも「へぇー」と思っていただけたら嬉しいです。

そして本題。

このマージナル・ゲイン、アマチュアはじめ誰にでも効果があるのか?という話です。

最近あんまり自転車雑誌を見ていないのですが、昔はよくアマチュアレーサーが「1gでも軽くするためにこんな部品を使ってます!」という紹介をするような記事をみかけました。特にヒルクライム特集。

これ、マージナル・ゲインです。

それに対して「バカバカしい。自転車100g軽くするよりも体重軽くするほうがどう考えても効率的だろ」という人もたくさんいました。かく言う当時10代の私もその一人。

ただ、体重を減らすのもマージナル・ゲインです。

マージナル・ゲインという考え方における正解は、どっちも実践すること。日本一、世界一を目指すなら、絶対にどれも実践したほうが良いでしょう。

ただ、アマチュアがそこまですべきか?と言われれば、「お金と時間に余裕があって、そういうことが好きならやればいい」という風に思います。

プロじゃないなら、場合によってはプロでも、リソース(お金とか時間とか家族の理解とか)の制約が誰しもあるはずなので。で、その制約は人によって違うので、ただ上手くいってる人やチームの真似をするというような単純なやり方では同じ効果は得られないかと。

逆に言えば、アマチュアこそマージナル・ゲインの考え方は重要ともいえます。

スカイみたいにお金かけて考えうることは何でもやる!というアプローチではなくて、

各々の制約を踏まえて、今一番効果があることはなにか?今一番すべきことはなにか?ということを考えなければいけないから。

そうすると、しっかり今までの振り返りもできて、着実な改善に繋がるんじゃないかと。

ちなみに、私はアマチュアが最も力を入れてすべきことは「体調管理」だと思います。

よく眠るとか、食前に手を洗うとか。コストほぼゼロだし、時間もかかりません。そして誰にも迷惑かけません。

まあ、私はすぐ体調崩すんですけどね。笑

最後に

結局のところ、プロでもアマチュアでも、シンプルに「大きな目標」と「日々の改善」を意識するだけで充実感は得られるんじゃないかなって思うんです。

こんだけ長々と記事書いといて、超ありきたりな結論ですが、これがマージナル・ゲインの本質かなと。

皆さんは、どう思いますか?

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