世界一の金持ちチーム、イネオス(旧スカイ)の懐事情を徹底調査。
Photo by William Iven on Unsplash

スカイ/イネオスの資金力が圧倒的とはしきりに言われるけど、実際のデータはどこじゃい、と思ったので調べました。

どれだけのお金をどこからもらって、何に使っているのか?

ということで不定期連載「Sky/INEOS解体新書」、今回は世界一の金持ちチーム、スカイ/イネオスの懐事情を徹底調査します。

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そもそもワールドツアーチームの懐事情は?

ワールドツアーチームの年間予算はだいたい2000万ユーロ(25億円)くらいです。

実際はもっとばらつきがあって、500万〜3000万ユーロ(6億〜40億円)程度。

スカイ/イネオスは更に上を行く50億円。他チームの2倍、場合によっては10倍近くの資金力を誇ります。

そして、基本的に各チームとも収支トントンもしくは赤字です。

では具体的にみていきましょう。

予算(収入)の8割はスポンサーさまから

ほぼスポンサー収入。

  • 主要スポンサー:1200万ユーロ(15億円)
  • 他スポンサー:400万ユーロ(5億円)
  • レース出場フィー:400万ユーロ(5億円)

レース賞金についてはチームではなく、選手に直接渡されることになっているので計上されていません。

ただし、レースを勝った選手が全て貰うのではなく、賞金はチーム内でプールされ、シーズン終わりにそのレースに出場したチームメイトで山分けするという形になります。

また、賞金の15%程度はスタッフにも配分されます。

支出の8割は選手とスタッフへのお給料

2000万ユーロのうち、8割近くは人件費です。選手のお給料、スタッフのお給料、それらを支払ってしまうと全てが飛んでいきます。

  • 選手のお給料:1200万ユーロ(15億円)
  • スタッフのお給料:300万ユーロ(5億円)
  • Infrastructure(インフラ)費用:300万ユーロ(5億円)
  • その他:200万ユーロ(3億円)

Infrastructure(インフラ)費用というのが何をさすかというと…

  • 旅費:150万ユーロ(2.5億円)
  • PR&広報:75万ユーロ(1.2億円)
  • 資機材保管庫維持費:30万ユーロ(5000万円)
  • チームバス・チームカー維持費:30万ユーロ(5000万円)
  • その他機材(スポンサー以外のものを使う場合に発生):15万ユーロ(2500万円)

自転車レースは世界中で行われるようになってますから、旅費もおおめ。

年々増え続けるスカイ/イネオスの予算は50億円超え

では、スカイの実際の予実績をみてみましょう。2010年から増え続けるスカイの予算は設立当初の2倍以上になっています。

毎年9月くらいに発表されるのがスカイの決算(companieshouse.gov.uk)。

イギリスの法律で公開が義務付けられています。他のチームは公開する必要がないので、貴重な資料。

まだ2017年のデータまでしかわかりませんので、チェックしてみると…

収入34,496,000ポンド(50億円)、支出34,457,000ポンド(50億円)で、年間通して39,000ポンド(570万円)の薄利を出しています。

ほぼ誤差ですね。収支トントンという理解で良いかと。

Skyと21Century Foxからのスポンサー収入だけで37億円

  • 主要スポンサー:2500万ポンド(37億円)
  • その他スポンサーおよびレース出場フィーなど:700万ポンド(10億円)
  • Value in Kind:250万ポンド(3億円)

主要スポンサーはSkyと21 Century Fox。37億円のうち、Skyが85%、21 Century Foxが15%を支払っています。

その他スポンサーはピナレロ、カステリ、フォード、Kaskなど。資機材を提供するだけでなく、使ってもらうために資金も用意しているみたいです。レース出場フィーと合わせて10億円ほど。

Value in Kindというのは、いわゆる現物支給のこと。おそらく、チームカーとか自転車とかその他もろもろの品々かと。

スタッフへのお給料などで5億円。選手へのお給料は…?

  • 選手へのお給料:?(20億円くらい?)
  • スタッフへのお給料、社会保障、年金:340万ポンド(5億円)
  • 特別支出:280万ポンド(4億円)
  • その他:?

平均して44人/月のスタッフがいたそうですから、スタッフの平均賃金は1000万円程度かと推測されます。

選手のお給料は公開されていないのでなぞです…といっても推測くらいはできるのでちょっと計算。

一般的にプロツアーチームがスタッフお給料の4倍程度の選手お給料を予算として確保してるとすると(前述)、全部で20億円が約30人の選手に分配されているということに。そのうち6億がフルームと言われています。

フルーム以外の平均をとっても5000万円くらいになりそう。

最後に

最後によく比較されるサッカークラブの予算を。

マンチェスター・ユナイテッドの収入はヨーロッパ一番の917億円(参考)。スカイ/イネオスの18倍のスケールです。

ちなみに…ヨーロッパの各リーグのクラブは放映権収入がすんごいので潤ってます。一方で、釣られて高騰した移籍金や年俸によって結局クラブはカツカツになったりもします。

浦和が79億円、神戸や鹿島・川崎といったビッグクラブは50億円参考と、だいたいスカイ/イネオスと同じくらいのスケールです。

ちなみに…Jリーグのクラブは放映権収入がヨーロッパほど多くないので結構カツカツです。そして昨年はDAZNの参入で放映権収入が増加したそうです。

サッカーと自転車を比べて優劣を決めることはすんごいナンセンス(ぜんぜん特性違う競技ですし)な感じがしますが、あくまで比較対象として、スケール感を知ってもらいたく例示しました。

私のような小市民は、〇〇億円とか言われた途端に思考停止しちゃうので。

「100円!1万円!」って言われればイメージわくんですけど、「1億円!100億円!」って言われてもなかなかイメージわかないですからね。

参考ソース

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