アイアンマン台湾2018参加レポート②当日準備&SWIM編:短縮SWIMと行列待ちのスタートライン。
前回の移動・宿泊編に引き続き、アイアンマン台湾参戦レポート、いよいよレース当日のお話です。
まずは、当日準備&SWIM編から。

当日準備(起床〜スタート)

朝4時10分、もぞもぞ起きて朝食を取る。前日は10時就寝だったので、十分な睡眠である。
朝食は、コンビニおにぎり1つ+パン1つ+ヨーグルト。
(ポンフー島には、コンビニがある。まるでなにもない島かと思わせておいて、欲しいものは一通りそろっているのである。)
朝食とトイレを済ませた私は、粛々とホテルのフロントに鍵と貴重品を預け、トランジットへ徒歩で向った。
今回の宿はトランジットから歩いて10分の場所だったので、徒歩移動。
ほどなく、朝5時とは思えない熱量の会場にトランジットにたどり着く。
バイクの最終チェック、水分と補給食の取り付け、ウェットスーツの着用、、、全ては順調である。

早朝のトランジットで、ヘッドライトの明かりをたよりに準備に勤しむアイアンマンたち。

そして、朝5時10分、スタート50分前。
ここでトライアスリート永遠の問題に直面した。
「トイレ問題」である。
そう、1000人もの参加者がいる場合、そのほぼ全員が用を足したいスタート前は「トイレ混みがち」なのである。特に大は混む。
朝食を食べて腸が元気になった私は、もれなく大がしたくなった。
そこでトイレに向かうと、そこは案の定、長蛇の列である。
数分並んでみて、あと20分はかかりそうだな…、そう思った矢先。
暗闇の先から一人の男性が現れてこういった。
「あっちのトイレなら空いてるよ!」
救世主だ。
10人近くが一斉にそちらに小走りで移動。私は数分で”大”を済ませることができた。
これで、準備は完璧である。

教訓と学び:当日準備編

今回の場合、小学校の校庭がトランジットエリアであったため、トイレは明らかに小学校内に沢山あった。ただ、探すのが面倒だったので、一番近い、人が最も並んでいるところに私は並んでしまった。この行動は、実は非常に危険で、

とりあえず数分並ぶ

→同じような人が後ろに並ぶ

→「他のトイレはないかもしれない」「あったとしても混んでるかもしれない」「もうこの行列に数分を費やしたんだ、最後までここで行く!」といった心理が働く

→その列から離れられなくなる

→同じような人が後ろに並ぶ

→その人もとりあえず数分並ぶ

→・・・

このスパイラルが繰り返され、列が長くなってしまうのである。

要するに、今日の大事な学びはこれだ。

トイレは、探せばたくさんある。だから、空いてるトイレをみんなで探そう。(もしくは、事前にちゃんとチェックしておこう。)

Toilet for all, All for toilet.

SWIM:焦るべからず。ディズニーランドよろしく1時間の行列待ちのスタートライン。

無事トイレを済ませた私は、爽快な気分でスタート地点に向かった。
スタートまで30分。5時半。
ここで会場にアナウンスが流れた。
「強風のため、SWIMは短縮。強風のため、SWIMは短縮。それに伴い、スタート時刻を6時から7時に変更します。」
強風で3.8kmから0.4kmに短縮された。
スタート時間も6時から1時間遅れて7時となった。
安全第一。Safety First。
これには誰も文句はいわず、アイアンマン参加者の心の余裕を見た気がした。
次から次へと変わる状況に冷静に対処し、それを楽しむこと、これがアイアンマンを楽しむ秘訣なんだと誰かが言っていたのを思い出した。(というか、SWIMの練習不足だった私にはむしろラッキー)

黄色・ピンクのブイを回って帰ってくる。(画像は前日のもの。このときは比較的穏やかな波だった。)

完全に時間を持て余した私は、もう一回トランジットに戻って補給食のチェックをしたり、ストレッチをしたりして時間を潰していた。
400mのためにウェットスーツを着る必要もなかろうと、トランジットにおいてきた。
ざっくり言って、7割くらいの選手がウェットスーツを着ていなかったように思う。
余談だが、こういうとき、一人参戦だと話し相手がいないため、妙に待ち時間が長く感じた。
そして、何回もトイレに行った。(多分このおかげで、レース中には小一回で済んだ。)
そうこうしている間に、スタート地点には人が集まり始める。
6時40分頃、ほとんどの選手が並んでいるように見えたので、列の中後方にすっと身を入れた。
英語・日本語・中国語の3カ国語を流暢にしゃべるDJがスタートに向けて場を盛り始める。
「パンッ!」
7時、エイジグループの最前列がスタートした。
しかし、
列は一向に前に進まない。
待つこと数分、エイジグループ最前線でスタートした選手たちが海から上がり、トランジットへ向かって走っていく。
まだスタート地点にいる我々は、彼らとハイタッチをかわし、拍手と歓声で長い旅路へと送り出す。
スポーツマンシップあふれる、なんとも良い風景だ。
しかし、
列は一向に前に進まない。
20分くらい待ちぼうけただろうか。
AWA(アイアンマンシリーズに沢山出場している証)のシルバーキャップを被ったスキニーなインド人トライアスリートが話しかけてきた。
「Hey、Youが着てるのはサイクルジャージか」
ぼけーっとしてて、聞き間違えたのかと思って聞き返した。
「・・え、なんて?
「Youが着てるそれ、サイクルジャージか?」
やっぱそう言ってたのか。たしかに若干サイズがゆるめかもしれないが、私が着ていたのはトライスーツだ。
「いやトライスーツだよ、たしかにポケットあるけども。まあ、そもそも400mだし、サイクルジャージでも大丈夫。」
「たしかにそうだな!Hahaha!Good Luck!」
そう言い残して、彼は列の前方へスルスルと消えていった。
…それだけか。まあ、暇だったのだろう。
しかし、
列は一向に前に進まない。
そう思い、さっき指摘されたポケットを探ると、なんと、スポーツようかんが入っていた。
危ない危ない、スタート前に食べようとしていてすっかり忘れていた。
もしそのままスタートしていたら、台湾のきれいな海に、スポーツようかんをぷかぷか浮かべてしまうところだった。
(もしや、さっきの人はスポーツようかんって言ってたのか?)
そう思ったが、たぶんそんなことはないだろう。スポーツようかんが海外でメジャーとも思えない。
さすがの私でも「サイクルジャージ」と「スポーツようかん」を聞き間違えたりはしない。
しかし、
列は一向に前に進まない。
そしてスタートから待つこと1時間、8時くらいだっただろうか。
ついにスタートの順番が回ってきた。
「ピッ!」
10秒ごとにリズミカルに吹かれる笛の音とともに、ついにスタート。
そして、
気づいたらSWIMアップ。
待ち時間のほうが圧倒的に長かった。
数分間を文章で臨場感とともに語るほど物語力がないのでSWIM編はここらへんで締めたいと思う。
10時間以上に及ぶレースにおける、たったの数分。
ほとんど水浴びみたいなものだ。
朝日に向かって泳ぐと、ブイが逆光で見えづらいことを除いては、つつがなく終了した。
なにはともあれ、よいウォーミングアップになった。
これから長い長いBIKEとRUNがはじまる。
③BIKE編に続く。

学びと教訓

アイアンマン台湾は、今回からSWIM会場が前年までの砂浜スタートから変わって、防波堤に囲まれたレクリエーションエリアからスタートになった(アクセスは便利に)。これに伴い、スタート地点が狭い階段からになったので、10秒ごとに5人がスタートするという方式となった。
つまり、1000人いる場合、10秒×(1000/5)=2000秒=33分は少なくともかかるということになる。

実際は明らかにもっと時間がかかっていたが、焦ることはない。タイム計測は、水に入った時点ではじまる。
冷静に自分のペースメイクに集中できるので、むしろこれはメリットかもしれない。
ただ、薄着になりすぎると、待っている間に風で体が冷えるのには注意。まわりに人がいるところに並ぶのがよい。

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