盛りだくさんの1月を勝手にサマリー!
注目ネオプロのプラップと再起を図るウィーラン
昨年の世界選手権U23個人TT2位、オーストラリア国内選手権TT王者の、ルーク・プラップが2022年は国内選手権優勝。注目ネオプロがワールドツアーに乗り込みます。
一方、最終盤まで独走しながらプラップを相手取り2位と辛酸をなめたのはジェームス・ウィーラン。EFとの契約期間を終えて地元コンチネンタルチームのブリッジレーンで走るウィーランは、翌週に行われたUCI非公認ながらも注目を集めるレース、サントス・フェスティバル・オブ・サイクリングで奮起。第1Sに持ち前の耐久力を発揮して独走勝利を収めると、第3Sのウィランガヒルでも粘りの走りで総合首位を死守。再起を図る25歳にとっては自信を取り戻す総合優勝となりました。
ピドコック&フォス!新しい時代の象徴とレジェンドの底力
ワウト・ファンアールトとマチュー・ファンデルプールという2大巨頭を欠いた中での開催となったシクロクロス世界選手権。序盤こそアールツ、ファーレントハウト、イゼルビットらベルギーチームが波状攻撃を仕掛けたものの、終始落ち着いた走りを見せていた優勝候補筆頭のトム・ピドコックが半分以上を残して単独アタックを決めるとそのまま逃げ切る横綱相撲。2位にはラース・ファンデルハール、3位にエリ・イゼルビットと軽量級ライダーが表彰台を独占する形に。
一方の女子はルシンダ・ブラントとの一騎打ちを制したマリアンヌ・フォスが2014年以来8度目の優勝。地力ではブラントが圧倒的ながら、スプリント勝負に持ち込めばフォスが勝つというパターンがシーズンを通して続いていた女子レース。晴天でスピードコースとなった中、ブラントに上手く食らいついたフォスが自分の展開に持ち込み、レジェンドたる強さを見せました。
バルベルデはまだまだ勝つ。なぜなら彼はバルベルデだからである
41歳になったアレハンドロ・バルベルデがTrofeo Pollença - Port d'Andratx優勝。今シーズン3レース目ではやくも勝利を手にしました。バレンシアナでもキレのあるアタックを見せて、第3Sではグラベル区間でパンクに見舞われながらもそのまま走り続けてステージ5位。春先のステージレース、クラシックでもまだまだ勝ち星を積み重ねていくぞ、と言わんばかりの調子の良さです。
エヴェネプールの十八番、浮上するエヴェネプール世代
レムコ・エヴェネプールがバレンシアナの第1Sで十八番の独走優勝。そのまま総合優勝を容易く手に入れてしまうかと思いきや、比較的苦手とする長い急勾配の坂でライバルに差をつけられて2位に後退。最終的に総合優勝を手にしたのはBORAに移籍したアレクサンダー・ウラソフでした。また2000年前後生まれのエヴェネプール世代が、ここにきて各所で存在感を見せる走りを見せています。イネオス所属のカルロス・ロドリゲスはクイーンステージでウラソフにつぐ2位につけ、最終成績も3位。UAE所属のネオプロで、昨年ベビージロ総合優勝のユアン・アユソもパンクに泣かされながら悪くない走り。ノルウェーのウノエックス所属、昨年ラヴニール総合優勝のトビアス・ヨハンネセンはエトワール・ド・ベセージュ第4Sで優勝、そして総合3位。サウジツアーではロットのマキシム・ファンヒルスが第4S優勝、かつ総合優勝とプロ初勝利。エヴェネプールと同様に、彼らもトップ選手の仲間入りを果たすことができるのか。
完成されたトレインと、新たな居場所と
サウジツアーが2年ぶりの開催。夏の灼熱とはうってかわった涼しい気候の中東で熱いスプリンターの争いが火ぶたを切って落とされました。なかでも流石の強さを見せたのはロットのトレインとカレブ・ユアン、そしてバイクエクスチェンジに移籍したディラン・フルーネウェーヘン。それぞれ1勝、2勝と幸先の良いシーズンスタートを切りました。
バレンシアナではファビオ・ヤコブセンが2勝と、強いトレインに支えられた危なげのないスプリントで表舞台に返り咲いています。インテルマルシェに移籍したアレクサンダー・クリストフはクイックステップとヤコブセンの後塵を拝して5位、3位、3位と優勝には届かず。もう一人の注目はイネオスに移籍したエリア・ヴィヴィアーニ。3位、4位、2位と勝利こそ逃しましたが、コフィディス時代に苦しみながら覚えた立ち回りで悪くない成績。第5Sではベン・スウィフトらチームからのアシストも受けてヤコブセンに迫りました。
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