アレハンドロ・バルベルデ(39)「履歴書にオリンピックのメダルが足りていない」
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2021年の引退をほのめかし続けるバルベルデ。御年39、引退まであと2年と迫った彼が語る言葉をシェアします。引用元はcyclingnews.com

「引退したらMovistarの一員として組織に貢献するつもり」

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"That and no more, <略> I want to do two seasons at the highest level and leave. Entering the Movistar organisation after hanging up the bike also makes me very excited. I want to contribute to this family from any position."

(2021年以降まで)続ける予定はない。2シーズンだけベストの状態で過ごして終わらせたいんだ。引退してMovistarの組織の中に入ることにもわくわくしている。どんなポジションだとしてもファミリーに貢献したい。

キンタナやランダ、カラパスといった主力選手が続々とチームを抜ける中、老兵バルベルデは引退後もこのチームに忠誠を尽くすと明言。良い選手が良い指導者になるとは限らないとはいうものの、バルベルデは運営陣の新たな「顔」になりそうです。

「正直、年を感じることもある」

"This season [age] affects me a little, but in the end it's just a number because the dream of cycling remains intact," he said. "Of course, I must also be realistic and know that time is passing, that I accumulate a lot of wear and tear because of age and always fighting in races. If I didn't feel at my best with the option of competing and aiming for more victories I would have stopped by now.

2019シーズンは老いを感じることもあったけど、それは数字上だけの話で僕の自転車にかける情熱は今だって本物だ。もちろん時間は過ぎ去っているし、ずっとレースを戦い続けてきたこともあってかなり消耗していることも事実。でもベストの状態では既になくなっていて、もっと多くの勝利が得られないなら、もうすでにやめてるはずだ。

2017年11勝、2018年14勝と怒涛の二桁勝利を重ねてきたバルベルデは2019年には5勝しかできなかったことで老いを感じたとも漏らしています。それでも5勝という数字の中にはスペイン国内選手権とヴェルタでのステージ優勝も含まれており、2位に入った回数は12にのぼります。まだまだ健在、といって差し支えないといって良いでしょう。

「履歴書にオリンピックのメダルが足りていない」

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"I'm missing that medal on my résumé. I've got stages and podiums at the three Grand Tours, the Classics, the World Championships. It would be the cherry on top of my fifth Olympics participation."

僕の履歴書には、オリンピックのメダルが足りていない。グランツールでステージ勝利も総合表彰台も経験したし、世界選手権のタイトルも手にした。もし表彰台に乗れたら、僕のキャリアに色を添えるだろうね。

今まで数多くの勝利(本記事執筆時点で127勝)をあげてきたバルベルデに足りないもの、それがオリンピックのタイトル、メダルです。ベッティーニが勝利した2004年アテネ五輪では46位、チームメイトのサムエル・サンチェスが勝った2008年北京五輪では12位、ビノクロフが勝った2012年ロンドン五輪では18位、ヴァンアーベルマートが勝ったリオ五輪では30位と、目立った成績を残せていません。

今年はツールとオリンピックのどちらにも出場する予定です。超級山岳+最後に小集団スプリントとなりそうな東京五輪のコースはバルベルデにとっておあえつらえ向き。メダル獲得は、決して非現実的な目標ではないといえるでしょう。

本当?「マスとソレルの成長を手助けしたい」

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"I feel happy, wanting to help Enric and Marc grow. They're two young boys with room for improvement who have shown beautiful things.<略>They too will be asked to take a little step forward, and I won't mind sacrificing myself for the good of the group. In the end, I've enjoyed a fairly good record, and it's all about Movistar winning."

僕はマスやソレルの成長を手助けしたいと思っている。彼らはすでに頭角を現している伸びしろのある若者たちだ。彼らは今よりもっと進歩しなければならないし、僕はみんなのために自分を犠牲にしてもいいと思っている。僕が積み上げてきた数々の勝利、それはすべてMovistarにとっての勝利なんだ。

自分勝手な走りがときに仇となり、ときに魅力となるバルベルデ。チーム運営陣へ入ることを見据えてか、こんなコメントも残すようになっています。カラパスやランダの離脱で弱体化が心配されるモビスター。若手の育成がバルベルデにはうまくできるのでしょうか。良くも悪くも背中で引っ張っていくタイプのように見えるバルベルデが育てる選手たちの活躍にも注目です。

今年も活躍が楽しみな39歳

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"Who doesn't argue in a co-existence when you're looking to win and are involved in competitive tension? We were several captains – of course we got angry and we got over it. "For my part, I'm grateful to share the jersey with two excellent cyclists; I hope they do well. But not so much if their goals coincide with mine," Valverde concluded, jokingly.

もしあなたが勝ちたくて、ほかの誰かも勝ちたかったら争いはつきものだろ?何人もリーダーがいれば、お互いに腹を立てたり、それを乗り越えたりするのは自然なことだ。僕としては、彼らとチームメイトでいることは喜ばしいことだと思っている。彼らもそうだと感じているといいな。もちろん彼らのゴールと僕のゴールが一緒だったら話は変わってくるけど。笑

いたずらっぽく笑う顔が浮かびます。41歳でキャリアを終えることになるバルベルデ。引退間際まで勝ち続けることができるのか。そして、若手のために自分を犠牲にする、有言実行の走りは本当にできるのか。もうあと2年。まだあと2年。いろんな意味でバルベルデの活躍が楽しみな2年間になりそうです。

 

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