今回のブログ記事は、One-up Cerezo Racingの加藤さんからの海外遠征寄稿です。特に、UCI Gran Fondo World Series(UCIグランフォンドワールドシリーズ)に興味のある方向けの内容となっております。
こんにちは。One-up Cerezo Racing代表の加藤です。当チームはUCI Gran Fondo World Seriesに特化したチームとなっており、年間数回の海外遠征を予定しています。この度、UCI Gran Fondo World Seriesのひとつ、Bathurst Cycling Classic B2Bへの海外遠征レポートをChariyorumで寄稿させていただく運びになったので、早速ですが、レポートします!海外のアマチュアロードレースに興味がある方、UCI Gran Fondo World Seriesに出たい方々に参考になる情報を提供できれば幸いです!
海外遠征持ち物リスト。忘れがちなものって?
早速ですが、海外遠征には何を用意すればよいのかについて。
レース中に使用
自転車、レース用ウェア、防寒装備(アームウォーマー、レッグウォーマーなど)、ヘルメット、サングラス、シューズ、サイコン、補給食一式
レース前に使用
工具一式、小型のバックパック、飛行機用輪行バック
基本的に飛行機用の輪行バックであれば問題ないと思います。破損が気になる人は毛布か何かで自転車をくるむとよいでしょう。ただし重量超過には注意が必要です。僕自身はOSTRICHのOS-500にMAVICやFFWDなどの厚みがあるホイールバックを組み合わせて輪行していますが、超過料金覚悟であれば、シーコンなどキャスター付きの方が移動は楽でしょう。またペダルやリアディレーラー、サイコンの台座などは外した方が安全だと思います。空気ポンプに関しては、僕は普通のフロアポンプをそのまま輪行袋に入れています。小型のフロアポンプだと結局現地で大変なので、この辺は重量や輪行袋の空き具合との相談でしょう。
また、グランフォンドの場合、荷物預かりサービスがある場合もあるので、小型のバックパックに荷物をまとめて預けられるようにすれば便利だと思います。そもそも、完走目的で勝負に加わる予定のない選手は自力で帰宅できるよう、サドルバックをつけたまま走っている場合もあるので、場合によってはそれもありだと思います。
意外と忘れがちだがあった方が良いもの
サイコンの充電ケーブル、変換プラグ、日焼け止め
海外の場合コンセントの規格が違う場合があるので、必要に応じて変換プラグを持っていると安心です。同じ国でも都市によって違ったりするので、観光する場合は特に注意が必要でしょう。また、紫外線が強い場合もあるので日焼け止めは必須です。
現地までの移動。そして宿。
今回はオーストラリアなので、様々な航空会社から便が出ています。LCCであれば5万円台で往復も可能です。一方ANAなど、一部の航空会社は早朝便・深夜便があるので、それらを活用すれば、最低限の休暇取得での遠征が可能です。さらに、オーストラリアは時差が少ないので、現地についてすぐ遊べるのも魅力です。
今回はANAで深夜発の便で出発し、早朝着の便で到着とし、2泊4日で遠征しました。また、空港までの移動は輪行でもよいですが、特に平日の通勤ラッシュと被る場合はTimesレンタカーの定額サービスや、日本交通の定額サービスなど、安く車移動する方法が便利だと思います。今回はJapanTaxiアプリで日本交通のタクシーを予約し利用しました。
一方、現地の移動に関しても、今回のような車社会の国ではレンタカーが便利だと思います。特にオーストラリアの場合、右ハンドルかつAT車が中心なので、日本とほとんど変わらない感覚で運転できます。
また予約に関しても、例えば楽天トラベルなどでは海外レンタカーを比較できますし、航空会社のマイレージサービスに海外レンタカーのサービスが付帯している場合もあるので、そういうサービスを活用すれば、日本とほとんど変わらない気分で利用できます。
今回はHertzレンタカーで丁度セールをしていたので安く予約しました。
現地で必要なものとしては、日本の運転免許証と国際免許証になります。国際免許は書類を書くだけなので、近くの警察署または運転免許センターで簡単に取得できます。
ホテルに関してもいろいろなサイトがありますが、今回はエクスペディアを利用しました。レースの1か月前の予約だったため選択肢がだいぶ少なかったですが、安いし簡単なのでおすすめです。また、車があれば、必ずしもスタート地点のすぐ近くである必要がないのも良いです。
前日準備。観光も忘れずに。
今回は2日前に現地入りして観光、前日は午前中観光、午後はレース準備としました。まずはゼッケン引き取り。今回は、Bathurstの街中でクリテリウムと、郊外で世界選TT予選のヒルクライムが行われており、クリテリウム会場で前日受付をしていました。また、ここでジャージなどの記念品も買えますし、自転車店も出店しているので、機材トラブルにも対応できます。実際、今回も、フロアポンプが使用中に壊れたので、現地購入しました。
今回はスタートがBlayney、ゴールがBathurst、宿泊地はBlayneyということにしたので、前日は、レース後の自走ルートを車で走りました。また、スタート地点やゴール地点は入念に確認しました。今回のレースではゴールがサーキット内なので、実際には走れませんでしたが、スタート地点、スタートの招集場所、車を止められる場所は前日にしっかり確認しました。今回、駐車場に関しては路上駐車場に加え、スタート地点付近のスーパーが利用可能でした。
また、今回のレースでは、BathurstからBlayneyに選手や自転車をバスやトラックで輸送してくれるサービスもあったので、Bathurstに宿泊して、それらのサービスを利用するという方法も可能でした。
いざレース。
レース当日は8:40スタートだったので、6:00に起床、すぐ朝食を取り6:40出発、7:00過ぎに会場入りしました。レース前3時間前に食事を済ませたほうが良い、とも言いますが、海外遠征は疲労もたまるので、今回は睡眠時間との兼ね合いも考えながら、ゆっくり準備しました。
朝食はホテルが用意してくれたクラッカーやシリアル、トーストに加え、持参した補給食を取りました。
レース会場ではやはり、日本同様トイレ前には行列ができるので、早めに済ませるとよいと思います。
アップは会場付近の道路で行いました。長距離レースということもあり、みんな軽めで、近くを軽く走るかローラー、もしくはアップなしという感じでした。
Gran Fondoは海外でいうアマチュア向けのロードレース、日本でいえばニセコクラシックやツールド沖縄のような位置づけだと思いますが、今回のレースは(2年前に経験した世界選手権同様)そこまでピリピリした雰囲気はなかったです。また、コースはGran Fondo World Seriesの中ではイージーな部類に入るのではないかと思います。基本的には軽いアップダウンと平地の組み合わせで、ラスト15㎞にある5㎞程度のKOMで勝負が決まる感じでした。
出場選手数はそこまで多くない印象で、僕が出場した19-34歳のカテゴリーは100人弱でした。序盤から逃げる選手がいたことで、集団は落ち着いていましたが、時々軽い登りでペースアップがかかる感じでした。集団全体の統制は取れており、危ない動きをする人もいないので、必ずしも集団前方にいなくても脚は使わない印象でしたが、ところどころ減速を要するカーブがあるので、基本的には集団前方にいたほうが良いと思います。
KOMに入るまでに集団は半分程度に小さくなり、KOMでさらにそれが半分くらいになった印象です。残念ながら僕はKOMのラスト1㎞付近でちぎれてしまいましたが、先頭に残ったチームメイトの話によると、KOM後の下りや平地でも更にスピードアップがあって、最後は、KOMで飛び出した選手が逃げ切ったようです。
勝負所まで脚を残し、しっかり決めるところで決めているという感じでしょうか。
公道レースで景色もダイナミックですし、危険な場面も全然なく、どの選手も余裕を持って走っているので、とても楽しめるレースだと思います。個人的にはとてもおススメです。
最後に
Gran Fondo World Seriesに出てみたい、遠征仲間がほしい、という人は加藤さんに連絡取ってみてください。アマチュアの皆さんにこそ、海外レースおすすめです。また、もっと紹介したい面白い大会がある!参加レポート書きたい!という方はお問い合わせページもしくはTwitterでコンタクト取っていただければ、と。自転車という素晴らしい趣味を、世界中で楽しむ日本人サイクリストが増えていきますように。