カレブ・ユアンの勝利で幕をあけたツアー・ダウンアンダー。ツイッターでフォロワーの皆様に「総合優勝は誰だと思いますか?」とアンケートしたところ、リッチー・ポートが圧倒的な得票数。そんな優勝大本命のリッチー・ポートですが、CyclingNewsにこんなコメントを残しています。「最終日のWillunga Hill頂上ゴールが楽しみだ。今までもいい結果を残しているからね。でもレースは最後まで分からない。今年はポウェルスやウッズのような強力なライバルがいるし、とても調子が良さそうだ。近年にない厳しい戦いになると思う。」彼を一言で表すならば、カデル・エヴァンス以来のグランツール制覇を期待される、オーストラリア出身のオールラウンダーです。
プロデビュー
2006年:トライアスロンからロードレースに転向します。
2008年:プロコンチネンタルチームのPratiesでレースを始め、ツアー・ダウンアンダーで総合7位に入ります。
2010年:Saxo Bankに移籍・プロデビュー。ジロ・デ・イタリアで総合7位&新人賞獲得。マリアローザも数日間着用。さらに世界選手権TTでカンチェラーラ、ミラー、マルティンに次ぐ4位にランクインします。
最強チームの最強アシストとして
2012年:Skyに移籍。ウィギンスの総合優勝を支えました。
2013年:フルームのツール初優勝に大きく貢献。鉄壁のアシストの最後の砦として活躍し、自身もパリ〜ニース総合優勝を遂げます。
2014年:ジロのエースを任される予定だっったものの、春先に肺の感染症を患い、あえなくDNS。なんとか治して臨んだツールでは、フルームのリタイアにより突如エースを任されることに。しかし調整不足が響き第3週目で大きく失速してしまいました。
2015年:再びエースとしてジロに参戦するも、度重なる落車でリタイアを余儀なくされました。
Skyからの卒業
2016年:BMCに移籍。初のエースとしてのツールでは、不運なパンクや「魔の山」モン・バンデュでのモト接触落車などがあったにもかかわらず、総合5位と健闘します。
2017年:ツール・ド・ロマンディ総合優勝、クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合2位と絶好調で迎えたツールは、第9ステージの下りで激しく落車し、リタイア。
2018年:ツール・ド・ロマンディ総合2位、ツール・ド・スイス総合優勝と、同じく上り調子でツールに臨みますが、第9ステージの石畳で落車リタイア。復帰明けのヴェルタでも良いところを見せることが出来ませんでした。
2019年:トレック・セガフレードに移籍。ツールに出場予定です。
ほんの少しの幸運に恵まれるべき選手
ここ数年は不運が重なり、強いのに勝てない状態が続いているイメージのあるリッチー。ゲラント・トーマスも昨年出版した自伝の中で、以下のように語っていました。
Richie’s a mate. We hang out. Sara is good friends with his wife Gemma, whom he met when both were at Sky, and I felt so bad for him. I knew how hard he had worked; he was the same as me with the weight struggles, finding it hard to stay low every day of every week. If anyone deserves a little luck, it’s Richie. It’ll happen, I’m sure. He’s too good for it not to.リッチーは、一緒にスカイにいた頃からの友達で、よく遊びに出かける。妻のサラも彼の妻と仲がいい。僕は彼がどれだけハードなトレーニングをしてきたか知ってるし、体重管理にどれだけ気を使っているかも知っている。もしほんの少しの幸運に恵まれるべき選手がいるなら、それはリッチーだ。きっとその時は来る。僕は信じている。
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