2020ツールドフランス開幕!プレビューするふりして妄想してみた
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2020年ツールドフランスがいよいよ明日開幕!コース&選手プレビューするふりをして妄想してみました。※これはフィクションです。

Week1。ハットトリック×2。

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今年もツールドフランスがはじまった。数ヵ月前には開催すら危ぶまれていたツール・ド・フランスが。

第1Sは平坦ステージ。各チーム、特にウルフパックとロットのトレインがゴール前でバチバチの勝負を繰り広げ、ベネットとユアンの一騎打ちになるかと思いきや、どこからともなくブライアン・コカールが現れステージ奪取の大金星。地元フランスに嬉しいステージ勝利とマイヨジョーヌをもたらす。

第2Sでは早くも総合争いが勃発。何人かの総合勢が遅れてしまう。しかし数の絞られた小集団からさらに勝負を仕掛けるチームはなく、そのままゴールになだれ込み、アレハンドロ・バルベルデがスプリント勝利。40歳のベテランがステージ勝利とともにマイヨジョーヌにも袖を通す。

第3~8Sにかけては、平坦ステージでは「ポケット・ロケット」カレブ・ユアンが、山岳ステージではプリモシュ・ログリッチが他を寄せ付けない強さを見せ、デジャブかと思うほどに交互に勝利を重ねる。振り返ってみれば、6日間を通しユアン→ログリッチ→ユアン→ログリッチ→ユアン→ログリッチと、二人が共にハットトリックを決め、「2選手が交互に6ステージを連続勝利」というツール史上初(たぶん)のエキサイティングな一週間となった。

そして第9S、連日の総合争いで疲弊した各チームは集団コントロールを緩め、結果30人ほどの大人数の逃げが決まる。その中には、逃げ屋デヘント、総合で大きく遅れたバルベルデなども含まれ、山岳ポイントを積み重ねる。最後の山でマキシミリアン・シャフマンがさらにアタックを敢行してゴールまで逃げ切り。ロンバルディアでの鎖骨骨折からの奇跡的な復活勝利だ。

ログリッチが総合首位を保ったまま、プロトンは休息日を迎える。

Week2。一日で変わった勝負の風向き。

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長く厳しい一週間を終え、ツールは2週目に突入。

ロット&ユアンにやられっぱなしだったウルフパック&サム・ベネットの歯車がここにきて噛み合い始める。力強いガッツポーズが第10,11Sと2日間連続で炸裂。続く第12Sは逃げが決まり、ここで勝ったのはダリル・インピー

そして第13S、ここまで静かだったエガン・ベルナルのアタックが火を吹き優勝。唯一くらいついたのは暫定首位のログリッチだけで、他の選手は1分以上の遅れを喫することに。

第14Sも逃げの展開となり、春先のレースで暴れわまったワウト・ファンアールトが小集団スプリント勝利。ここまで平坦ステージの大集団スプリントにも地味に参加し一桁フィニッシュを繰り返していたファンアールトは、ポイント賞ジャージ、マイヨ・ヴェールをこの日ユアンから奪う。

そして休息日前の第15S。イネオスが3連続長距離登坂の一つ目、セル・ド・フロマンタルの序盤からハイペースを刻む。そして最後の超級山岳グラン・コロンビエールで満を持してエガン・ベルナルが発射。すべてのライバルを置き去りにする激走をみせ、一方でログリッチがまさかの大失速。グランツール中、誰もが一日はあると言われているバッド・デイ。ログリッチは運悪く今大会でもカギとなる山岳ステージにあたってしまったようだ。

結果、ベルナルは今ツールで初めてマイヨジョーヌに袖を通すとともに、総合2位以下に3分以上の差をつける。2年連続総合優勝に向け、イネオスとベルナルがたった一日で盤石な態勢を整えた。

Week3。3週目の男たち。

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そして最終週。「もうベルナルできまりだ」そんな空気が流れる中、ここまで振るわなかった総合勢が奮起した。

第16Sではセルジオ・イギータ第17Sではタディ・ポガチャル第18Sではティボー・ピノがそれぞれ優勝。特にピノは大逃げを決め、2秒差でまさかのマイヨジョーヌを手にする。開幕ステージでのコカール優勝以来良いニュースのなかったフランスは、ここにきて「ベルナール・イノー以来の総合優勝!?」と爆発的な盛り上がりをみせた。さらに3日連続で逃げに乗ったバルベルデが山岳賞ジャージを手にする。

第19Sでは今まで一桁順位を連発しながら勝利がなかったサガンが逃げに乗り小集団スプリントで勝利し、ファンアールトにポイント賞でも迫る。総合争いに動きはない。

そして迎えた勝負の第20S個人TT。平坦+登坂の難しいステージだ。開始時点での総合順位は1位ピノ、2位ベルナル、3位イギータ。

総合5位にまで落ちていたログリッチはスタート前、チームメイトでサブエースのトム・デュムランにこう漏らした。

「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ…」

すると、デュムランはこう言いました。

「僕はパトラッシュじゃないぞログラ。僕の名前はトム・デュムラン。ジロに勝った男だ。」

(マジレスかよ…)ログリッチはそう思いながら自分がリラックスしていることに気づく。

デュムランによるメンタル面のナイスアシストでログリッチは本来の力を見せて4つめとなるステージ優勝。総合でも2位に浮上し、一度はすり抜けかけた表彰台を手繰り寄せた。ベルナルは登坂区間で強さを見せて再び首位に返り咲き、ピノは善戦するも大逃げの疲労の影響が響いて失速。ログリッチにも逆転されるも表彰台は死守し、3位でツールを終えることになる。

第21Sはシャンゼリゼまでパレード。しかしポイント賞争いの行方のみまだわからず、恒例の走りながら4賞ジャージ写真撮影にサガンが乱入してお茶の間をわかせる。シャンゼリゼでは混戦スプリントの中でサガンがタイヤ差でまさかの優勝。ファンアールトは?と皆が緑色のジャージを探したがそこはファンアールト、安定の一桁フィニッシュで自身初のポイント賞を守っていた。

晩夏のシャンゼリゼにコロンビア国歌が流れる。ツール・ド・フランスのプロトンは、今年もあっという間に過ぎ去っていった。沢山の喜怒哀楽を世界中に届けながら、微かな汗と涙の匂いを残して。

※これはフィクションです(2回目)

ちなみに…

Tis strange - but true; for truth is always strange; Stranger than fiction
これは奇妙だが事実だ。なぜなら真実とはいつも奇妙なものだからだ。フィクションよりも奇妙である。

『ドン・ジュアン』バイロン(英国の詩人)

数週間前、珠洲さんのPodcastりんぐすらいどれでぃおにて発表した私の総合優勝予想は…1位フルーム、2位ベルナル、3位Gトーマスでした。3人中2人が出場できず。ということで本記事の100倍ためになるプレビューを以下に載せておきます!いよいよ、3週間の戦いが始まります。

 

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