総合リーダー、パトリック・レヴィンの落車&脱落。リッチー・ポートのロケットアタックによるウィリンガヒル6連覇。ダリル・インピー気迫の総合連覇…。アデレードという羨ましいロケーションで、数々のドラマが繰り広げられたツアー・ダウンアンダー最終ステージ。そのドラマの裏で、最後までアシストをし続け、チームメイト、インピーの総合優勝を最後の花道に引退したオーストラリアの自転車選手がいます。その名もマシュー・ヘイマン。
2016年に感動のパリ・ルーベ優勝を果たしたベテランで、生粋の仕事人としてミッチェルトン・スコットのトレインを引っ張り続けてきました。そこで、ヘイマン引退の余韻に浸りながらYoutubeで動画を見ていると、気になる人が画面に映り込みました。...マキュアンとオグレディ!私がツールを見始めた少年時代、あのアームストロング全盛期、ヨーロッパのレースシーンを湧かせていた2人のオージー・スプリンターです。今回引退するヘイマンも、ついに彼らレジェンドの仲間入り。
ということで、私の記憶に鮮明に残っているオーストラリアのレジェンドをまとめてみました。
オーストラリアのレジェンド5傑
1ロビー・マキュアン(2012年引退)
プロ通算112勝。往年の名スプリンターであり、グルペットの長。今回ツアー・ダウンアンダー第5ステージでユアンが降格処分をうけたヘッドバッドはこの人の十八番でした(下写真参照。ヘッドバッドされてるのはオグレディ)。
2スチュアート・オグレディ(2013年引退)
マキュアンと双璧をなした往年の名スプリンター。勝利数は26とマキュアンほど多くないものの、パリ〜ルーベに勝つなど、スプリントだけでない力がありました。
3
カデル・エヴァンス(2015年引退)
オーストラリア人初のロード世界王者、また、オーストラリア人初のツール・ド・フランス総合優勝者。無骨な顔と真っ向勝負の走りでファンを魅了したオールラウンダーで、ドーピング問題を抱えたプロトンの中で、その潔癖さからミスター・クリーンとも呼ばれました。
4マイケル・ロジャース(2016年引退, 39)
2004年〜2006年の世界選手権を3連覇。あのカンチェラーラですら勝てなかったTTスペシャリストです。キャリア終盤はドーピングスキャンダルに揺れましたが、アシストとして最後までキャリアを全うして2016年に引退。
5サイモン・ゲランス(2018年引退, 38)
短い坂での爆発的なスプリントで他を寄せ付けなかったサイモン・ゲランス。昨年惜しまれながらも引退を表明しました。カンチェラーラをスプリントで破ったミラノサンレモでの勝利が、個人的にはサイモンのハイライトです。
バリバリ現役。オーストラリアの期待を背負う要注目選手たち。
そしてオージーの系譜は次世代へ。
1アダム・ハンセン(37)
2011年のブエルタ・ア・エスパーニャから2018年のジロ・デ・イタリアまで、連続20回グランツールでを完走し、鉄人と呼ばれています。
2リッチー・ポート(33)
フルームを倒すのはこの男と言われ続けているリッチー・ポート。ツアー・ダウンアンダーでは例年通りウィリンガヒルで圧勝し、未だピークは過ぎ去っていないことをアピールしました。今年はグランツールで結果を残すことができるのでしょうか。
3マイケル・マシューズ(28)
オーストラリアを代表する登れるスプリンター。サガンがカヴェンディッシュを倒したとされてレースから追放された2017年のツールドフランスでは、思う存分に活躍しマイヨベールを獲得しました。
4ローハン・デニス(28)
現世界TTチャンピオン。文句なしのオーストラリアを代表するTTスペシャリストです。
5カレブ・ユアン(24)
身長165cmの低身長から繰り出される超前傾姿勢のスプリントから、ついたあだ名はポケットロケット。昨年はやや成績が伸び悩んだものの、今シーズンは心機一転ロット・スーダルに移籍し、新天地で飛躍を誓います。
ありがとう、マシュー・ヘイマン
ー□