ベルナルの超過密調整プラン「ツール第1週に100%の状態で臨む」byコーチ
Photo by Ray Rogers on Flickr

やっと復活の兆しが見え始めた自転車レース。まだまだ中止や延期を発表する大会も相次いでいることも事実ながら、国内ではJプロツアーが、ヨーロッパではUCIレースが動き始めています。

今週初めには多くのコロンビア選手が厳戒態勢の中、地元から特別チャーター機でヨーロッパ入り。その中でもひときわ注目を集めたのが、昨年のツール覇者エガン・ベルナルのスマイルマスクです。こんなお茶目な一面を持つ彼のレーススケジュールと、コーチのコメントと。

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8月前半は怒涛のステージレースざんまい

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(昨年はツール準備として出場したツール・ド・スイスで総合優勝)

現在(おそらくほぼ決定)のベルナルのレーススケージュールは以下の通り。

8/1-4: Route d'Occitanie(フランス)

8/7-9: Tour de l'Ain(フランス)

8/12-16: クリテリウム・デュ・ドーフィネ(フランス)

8/29-: ツール・ド・フランス(フランス)

なんと8月前半の16日間中12日はレースという殆ど休みのない超過密日程。その真意とベルナルの状態をさぐるため、エガン・ベルナルのコーチ Xabi Artetxeに英Cyclingnewsがインタビュー。

「第2ステージで(総合争いから)脱落する選手が出てくる」

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(コロンビアでの練習中に体温チェックを受ける)

The Tour starts with a couple of really complicated stages. Your condition has to be really good. Nobody will win the Tour in the first week, even though it's so tough, but we'll definitely see some of the favourites fall by the wayside. Some of them could be out for the count by the time stage 2 is over.

今年のツールは最初から難しいステージばかりだからコンディションを上げておく必要がある。どれだけタフだからと言ってツールの第一週で勝利を手中に収めることはできないけど、何人かの優勝候補は脱落するだろう。第2ステージで番外になる選手もでてくると思う。

一つの狙いは、第一週にあわせて状態を仕上げる必要があるため。通常であればツールの第一週は平坦ステージが多く組み込まれるため、第一週に100%までコンディションをあげることなく、第2週から最終週にむけ徐々にコンディションを上げていく選手も多くいます。ただし今年は第2ステージから16km/6%、15km/7%、8km/7%という超ハードな山岳をこなす鬼畜設定。だんだんコンディションを上げていこうと悠長なことを言っていられないのです。

疲れてしまうのでは?とも思ってしまうのですが、そこはやはりグランツール覇者。回復力が優れているので無問題とのこと。ツールのリハーサルとして中規模レース3連戦をこなす狙いもあるようです。

There are so few days between each race, and given Egan is so good at recovering, that's almost like one long stage race for him. He'll be polishing his form there, bringing it up to 100 per cent.
レース間に殆ど休みがなくて、全体を通して長いステージレースのようになる。ベルナルは回復力が優れている。このレースを通して100%の状態に持っていく予定だ。

勝負のカギは最終日前日のタイムトライアル?

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(2018年ツール第20Sの平坦TTでは優勝したデュムランから約2分の、2019年ツール第13Sでは優勝したアラフィリップから約1分半のビハインド)

You need to have really clear ideas about how you're going to tackle that time trial well before the day itself, so that you're not wondering about which gears to use, and whether you should change your bike the night before.
レースのずっと前までに、どんな風にこのタイムトライアルに臨むかクリアなイメージをつかんでおくことが必要だ。前日になってバイクを途中で交換すべきか、どんなギアを使うか、うんうん考えてしまわないように。

さて、本番のツールについてですが、Xabi Artetxeコーチが元も注視しているのは、最終日前日の36kmタイムトライアル。前半30kmは平坦、最後の6kmは平均勾配8.3%というペーシングや機材チョイスが難しいトリッキーな設定。精緻な事前準備が成否を分けそうです。そもそもこのコースはTTスペシャリスト向けなのか、クライマー向けなのか?という点に関しては以下のコメント。

Time triallists like Froome, Primoz Roglic or Tom Dumoulin (both Jumbo-Visma) could still eat into a pure climber's overall advantage on the Planche. You have to remember that they know, as time triallists, how to pace themselves on climbs.
(最後の登りを踏まえても)フルームやログリッチ、トム・デュムランといったTTスペシャリストのほうが、ピュアクライマーに対してアドバンテージがあるだろう。彼らはそもそもペーシングが優れているということを忘れてはならない。登りを含めてね。

さいごに

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If I have to help Froome or Thomas, I will do it.
もしフルームやトーマスをアシストする必要があるなら、僕はそうするよ。

ちなみに現時点ではINEOSのチームメイト、Gトーマスとフルームも同じレーススケジュールで、同じプランで仕上がりはどう変わってくるのかは見所。

最良のトレーニングはレースであるとはよく言いますが、今年はそのレースが万全にはこなせない状態で各選手が数々のビッグレースを走ることになります。果たしてツールに向けてピーキングを上手く持ってくることができる選手は誰なのか。

8月は、季節外れのワンデーレースにあわせて中規模ステージレース連戦にも注目です。

参考ソース

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