マチュー・ファンデルプールが所属するプロチーム、アルペシン・フェニックスの2021年グランツール出場が濃厚と英Cyclingnewsの報道。情報を整理しました。
現時点でUCIチームランク11位
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グランツール出場がほぼ確定とされる理由が、今シーズンのUCIチームランキング。何を隠そう、マチュー・ファンデルプールの活躍もあってワールドツアーチームに食い込み、10月27日時点で11位と大健闘しているのです。チームランキングからプロチームだけを抜粋したのが以下リスト。
11位 アルペシン・フェニックス 4788pt
14位 アルケア・サムシック 3697pt
18位 サーカス・ワンティゴベール(来年はCCCのライセンスを継承しワールドツアーチームに)2778pt
23位 NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス 1553pt
24位 トタル・ ディレクトエネルジー 1402pt
もちろんそのポイントの半分近くをマチュー・ファンデルプールが稼ぎ出しているわけですが、ベルギー王者ティム・メルリエもティレーノやビンクバンクツアーのステージ優勝をはじめスプリントで好成績を連発しており、チーム全体としてワールドツアーチームに引けをとらない成績を残した大成功のシーズンとなりました。今年の主要UCIレースは現在開催中のヴェルタで終わり。ヴェルタに出場しているプロチームはトタル、カハルラル、ブルゴスBHですが、上位まで浮上してくる可能性はほぼありません。
UCI規定にはこう書いてある
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(チームのもう一本の柱、ティム・メルリエ)
なぜこのランキングが重要かというと、上位チームは自動的にワールドツアーレースに招待されるからです。UCIの規定では、例えばワールドツアーチームが18だった場合、グランツールおよびその他のワールドツアーステージレース主催者はUCIチームランキングで上位2つのプロチームを招待することが義務付けられています。(UCI公式レギュレーション参照)
スポンサー降板が決まってしまったNTTの命運によって来年のワールドツアーチーム数が18になるのか19になるのか決まるということですが、いずれにせよプロチームの中でランキングトップのアルペシン・フェニックスはグランツール招待権を得ています。2020年のワールドツアーチームは19チーム。例えばツールドフランスでは、2019年UCIチームランキングでプロチームの中ではトップだったトタル・ ディレクトエネルジー1チームだけが招待の義務付け対象でした。さらにランキングには関係なくアルケア、B&Bホテルズの2チームがワイルドカードでの招待出場。
アルペシン・フェニックス首脳陣の判断やいかに
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(UAEからジャスパー・フィリプセンを獲得)
来年に向け、新鋭スプリンターのジャスパー・フィリプセン獲得など戦力強化を続けるアルペシン・フェニックス。いずれのレースも招待されるだけなので、選手のやりくりなどを考えてチームが出場辞退ということもあり得ます。マチュー・ファンデルプール自身もMTBで東京オリンピックに出場したいと以前話していたこともあり、才能あふれる逸材ゆえの贅沢な悩みがあるのも事実です。
参考ソース
- Alpecin-Fenix all but seal Tour de France invite after topping latest Europe Tour rankings|Cyclingnews
- UCI Regulations|UCI
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