(2019/05/31修正)

前回の記事では個人の勝利数ランキングを特集しましたが、今回記事では、2018シーズンにおけるチームの勝利数を一挙ご紹介。

個人ランキングはUCIカテゴリー『1』以上に限定した数で集計しましたが、チームランキングでは、UCIカテゴリー『2』『1』『HC』『ワールドツアー』その全てを含めた数にしています。ちなみに、チーム名のカタカナ表記と略称はフィーリングで書いてます。間違ってたらご指摘ください。

モビスター(26勝,スペイン)

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スペイン&南米の山岳集団。ジロ、ツール、ヴェルタの全てでステージ勝利をマークしたうえ、今年は世界選手権タイトルも手に入れました。主にスペインとコロンビアのエース級の選手を集めており、山では特に圧倒的な強さを発揮します。

代表的な選手は世界チャンピオンとなったバルベルデ、コロンビアの英雄キンタナ、エクアドルの新星カラパス、いぶし銀のイタリア伊達男ベンナーティなど。今年は特に大きな移籍報道はなし。若返りの必要性が叫ばれる中、バルベルデおじさんの強さは衰えることを知りません。

バーレーン・メリダ(26勝,バーレーン)

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インターナショナルな中東資本チーム。ニバリのミラノ・サンレモ優勝が記憶に新しいですが、その後はジロ1勝を除くと大きな勝利を挙げられず。一方で、ツアー・オブ・ジャパンで3勝をあげるなど、下位カテゴリーのレースでは危なげなく勝ち星を積み重ねTOP10にランクインしました。

代表的な選手は「海峡のサメ」ニバリ、頭を激しく振りながらもがくスプリンターのコルブレッリ、日本の新城。世界選手権TTチャンピオンのローハン・デニス(元BMC)の加入はBIGニュースです。イザギレ兄弟をアスタナに放出してしまったものの、概して大幅な補強を成し遂げたといっていいでしょう。ローハン・デニスの他にも、山岳アシストとしてのダミアーノ・カルーゾをBMCから、未来あるスプリンターのバウハウスをサンウェブから獲得するなど、今年の移籍シーンを騒がせました。来年も要注目のチームです。

アスタナ(30勝,カザフスタン)

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闘将・ヴィノクロフが気合を入れるカザフ魂のチーム。今年はアムステルゴールドレース勝利、ジロ1勝、ツール2勝など30の勝ち星を獲得。

代表的な選手はベテランオールラウンダーであるルイス・レオン・サンチェス(スペイン)、同じくベテラン総合系選手のヤコブ・フグルサング(デンマーク)など。春先のアムステルゴールドレースで金星をあげたバルグレンの放出が痛い。バーレーン・メリダから獲得したイザギレ兄弟はその穴を埋められるのか?といったところが注目ポイントです。

ロットNLユンボ(33勝,オランダ)

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オランダチームとして世界に殴り込みをかける、パワー系集団。ディラン・フルーネヴェーヘンによるツール2勝と、スキージャンプからロードレースに転向してきたログリッチのステージ1勝など、終始存在感を発揮してシーズン通算33勝をあげました。

移籍シーンでは、各チームがしのぎを削って獲得を競い合ったシクロクロスの王者ヴァン・アールトとの契約が大きな注目を集めました。その他にもクイックステップから将来を有望視されるオールラウンダーのローレンス・デプラスを、カチューシャから不振にあえぐ元TT世界王者トニー・マルティンを獲得するなど、積極的なリクルーティング活動をしています。ラース・ボーム(プロコンに移籍)、ブラム・タンキンク(引退)、ステフ・クレメント(引退)などのオランダ自転車界で一時代を築いた大御所たちが抜けたことによる精神的な穴が唯一の不安要素でしょうか。

FDJ(33勝,フランス)

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国際化してきた元・純フランスチーム。2018年となった今でも、積み重ねた勝利のほとんどがフランスでのレース。もちろん、デマールによるツールでのステージ1勝、そしてピノによるジロ・デ・ロンバルディアでの勝利と、要所でしっかり締めてくるのも彼らです。

代表的な選手は、フランスのエリート・スプリンター、アルノー・デマールや同じくフランスの期待をバルデと共に一身に背負うクライマー、ティボー・ピノなど。BMCからTTスペシャリストのステファン・クン(スイス)を獲得できたことは、彼らにとって大きいでしょう。地元フランスで強さを発揮するこのチームからも目が離せません。

ボーラ・ハンスグローエ(33勝,ドイツ)

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サガンのチーム?実はそれだけじゃないんです。皆さんご存知のクライマー、ラファル・マイカや、ドイツの若き王者アッカーマン、クラッシクハンターのブルグハート、さらにジロで3勝をあげたアイルランドのスプリンター、サム・ベネットなどタレント揃いのチームが33賞をあげて5位にランクインしました。

移籍情報としては、アスタナからオスカル・ガットを、BMCからドラッカーを獲得。クラッシクレースでのサガンのアシストとしての働きが期待されます。

アンドローニ・ジョカトーレ(35勝,イタリア)

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プロコン(ワールドツアー・チームの一個格下とされるカテゴリー)で唯一ランクインしたイタリアの老舗チーム。スカイへの移籍することが決まったソーサが所属していました。コロンビアの同郷人ベルナルとは相棒でありライバルでもあります。

このソーサが大車輪の活躍。HCクラスのヴェルタ・ア・ブルゴスでステージ優勝+総合優勝をはじめ10勝をマーク。他にもイタリアのスプリンダーであるマヌエル・ベッレッティやマッテオ・マルセリなどタレントが豊富で、ワールド・ツアーレベルでの勝利はなかったものの、しっかり勝ち切るレースを一年を通してできたようです。BORAからスプリンターのペルッキを獲得しましたが、ソーサの抜けた穴は大きいと言わざるを得ません。

ミッチェルトン・スコット(37勝,オーストラリア)

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サイモン・イェーツのジロ・ヴェルタでの大車輪の活躍もあって、トップ3に輝いたオーストラリアのチーム。ジロのステージ5勝、ヴェルタでのステージ1勝+総合優勝はもちろん目を見張るものがありますが、今年はロードレースで新たな取組を仕掛け中のハンマーシリーズにも積極的にトップ選手を送り込み年間王者に輝きました。総合的なチーム力が問われるハンマーシリーズに勝てるということは、選手層が本当に厚いということ。

トレックやUAEからの引きの手を断ち切り、イェーツ兄弟と契約延長ができたことはこのチームにとって本当に喜ばしいことでしょう。カレブ・イワン、クロイツィゲルの放出は痛い一方で、BMCからブックウォルターを獲得できたことは大きいと思われます。いずれにせよ、スプリンターのインピー、クライマーのチャベスとニエベなど、37勝をあげたチーム力は他を寄せ付けない選手を集めています。

チーム・スカイ(43勝,イギリス)

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来年いっぱいでのスポンサー撤退が発表されたスカイ。これだけ結果を残しているのに…!と衝撃を受けたファンも多いのでは?と思われます。ジロステージ2勝+総合優勝、ツールでもステージ2勝+総合優勝。さらに面白いのがナショナル選手権の結果。コロンビアロードレース王者(エナオモントーヤ)、コロンビア個人TT王者(ベルナル)、スペイン個人TT王者(カストロビエホ)、ポーランドロードレース王者(クウィアトコウスキー)、オランダ個人TT王者(ヴァン・バール)、イギリス個人TT王者(Gトーマス)、ベラルーシ個人TT王者(キリエンカ)、イタリア個人TT王者(モスコン)を2018年だけで輩出したのです。オールスターか笑。

エナオモントーヤがシーズン途中でUAEに移籍してしまったものの、ベン・スウィフトがUAEから出戻り、ソーサがアンドローニ・ジョカットーリから加入と、スポンサー撤退にもかかわらずチームは精力的にリクルーティングを行っています。チーム・スカイの今後の動向に注目です。

クイックステップ(73勝,ベルギー)

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いや、、圧勝ですやん!ジロ6勝、ツール5勝、ヴェルタ4勝、世界選手権TTT勝利。更に、E3、ツール・ド・フランドル、フレシュ・ワロンヌ、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、その全てに勝利。クランツールも、春先のクラシックも、ありとあらゆる勝利を掻っ攫っていく最強チーム、それがクイックステップです。しかも彼らが出てるのは全てカテゴリー『1』以上のレースのみ。開いた口が塞がりません。スカイと同様、ベルギー王者(ランパート)、イタリア王者(ビビアーニ)、ルクセンブルグ王者(ユンヘルス)、デンマーク王者(モロコフ)といった選手を輩出する国際オールスター軍団でもあります。

テルプストラがディレクトール・エナジーに、ガヴィリアがUAEに、デプラスがユンボに移籍してしまうなど選手の放出が続いてはいますが、未だに最強チームであることは変わりないでしょう。

最後に

本記事では今年ノッてたチームを紹介しましたが、逆にディメンション・データ(7勝)、EFドラパック(6勝)、カチューシャ(5勝)などは不本意な勝利数のままシーズンを終えています。ディメンション・データはカヴェンディッシュの不調が、カチューシャはキッテルの不調がモロに数字に出てしまっている感じがします。ただ、彼らはスカイやクイックステップと同様、ほとんどカテゴリー『1』以上のレースにしか出ていません。ある程度数字が少なくなってしまうのは仕方がないことかと。各チームともシーズン最終盤のヴェルタでしっかり勝利を収めていますし、力があることは間違いない。今年は冴えなかった選手とチームの来年の巻き返しに期待しましょう!

次回記事では国別ランキングをまとめます。

参考:ProCyclingStats.com

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