前回、前々回と個人、チーム別の勝ち星数をランキング形式で紹介しましたが、今回は国別です。2018シーズン、一番勝ち星を数多く上げたのはどこだったのでしょうか。
デンマーク(43勝)
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まず10位にランクインしたデンマークから。今最も活躍してるのは、オールラウンダーのフグルサング。そして今年ブレイクしたバルグレンもデンマーク出身です。両者ともにアスタナに所属していましたが、バルグレンは2019シーズンはディメンション・データで走ります。その他にもニールセンがツール第15ステージで勝利を収めるなど、意外な選手層の厚さを誇ります。
イギリス(55勝)
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振り返ってみれば、ジロを制したクリス・フルーム、ツールを制したゲラント・トーマス、ヴェルタを制したサイモン・イェーツ、その全てがイギリス人。いまグランツールはイギリスが席巻しているといっても過言ではありません。次から次へと素晴らしい選手を輩出しています。総合系だけでなく、マーク・カヴェンディッシュやベン・スウィフトなどのスプリンターもおり、以前は弱小国だったとは思えない活躍ぶりです。
ドイツ(57勝)
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グライペル、キッテルのスプリンター2大巨頭に加え、TT最強のトニー・マルティンなど猛者が揃うドイツ。しかし、2018シーズンは彼らの勢いに陰りがみえた年でもありました。一方、ツール・ド・フランスでのデゲンコルブ復活勝利や、新星スプリンターのアッカーマンのブレイクなど明るいニュースも絶えません。質実剛健のイメージそのままに渋いアシスト選手もたくさんいる国が安定のTOP10入りです。
オーストラリア(61勝)
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ローハン・デニスによる世界選手権TT優勝がオーストラリアにとっては2018年最大の勝利でしょうか。ジロTTステージで1勝、ヴェルタTTステージでも2勝したノッてる男が勝つべくして勝った、そんな印象を与えた勝利でした。総合系のエース、リッチー・ポートは、ツール・ド・スイスでキンタナ、フグルサングをおさえて優勝。しかし、絶好調で臨んだツールでは石畳ステージで落車して2年連続リタイアとなってしまいました。他にもマイケル・マシューズやマーク・レンショー、カレヴ・ユアンといったスプリンターも揃っています。長くオーストラリアのロードレーサー達の先頭を走り続けたサイモン・ゲランスが引退した年でもありました。
スペイン(71勝)
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バルベルデの世界選手権勝利が今年のハイライト。バルベルデ以外にも、ルイス・レオン・サンチェス、ニエベ、ランダ、カストロビエホと総合系の選手が揃い踏みなのが太陽の国・スペインです。かつてのコンタドールのようなスーパースターはいませんが、期待の若手は次々と生まれています。その代表的な2人がパリ〜ニース総合優勝のマーク・ソレル(モビスター)とヴェルタで驚きの総合2位に入ったエンリケ・マス(クイックステップ)。2人の今後に注目です。
コロンビア(75勝)
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キンタナ、ウラン、エナオモントーヤ、チャベス、ベタンクールなど、グランツールの表彰台を狙える選手を多くラインナップしているのが南米の国、コロンビアです。元気の良い若手選手が多いのがコロンビアの特徴で、今年ツールで2勝をあげた新星スプリンターのガビリアに加え、ツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝を果たし、次期ツール優勝候補と名高いエガン・ベルナルなど、活きのいい選手が多いです。一方で、鮮烈なデビューの後、若くして名声を手に入れ燃え尽き気味になる選手が多い印象があるのも事実であります。
ベルギー(79勝)
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ジルベール、グレッグ・ヴァン・アーベルマートといったクラッシクのトップ選手に加え、モンフォールなどを始めとする総合系選手も揃えるベルギーが4位にランクイン。今年の特徴としては、ジルベールなどスター選手達に大きな勝利は多くなく、ジロのウェレンス(ロットソウダル)によるステージ1勝、ベヌート(ロットソウダル)のストラデ・ビアンケ優勝、ランパート(クイックステップ)のフランダース横断レース2年連続優勝など、粒ぞろいの勝利を積み重ねた結果79勝になったこと。選手層の厚さが伺い知れます。
オランダ(90勝)
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トム・デュムランの活躍が最近のオランダの躍進を物語っています。昔からクラシックでは結果を残していましたが、グランツールでの結果を出せる選手が最近になって続々と生まれているのが風の国・オランダです。トレックのモレマ、ロットNLユンボのヘーシンク、クルイシュウィクなどに続いて出てきたのがデュムランでした。そのデュムラン、今年はジロ、ツールともに2位。Gトーマスとフルームのスカイコンビを脅かす存在であり続けることは間違いありません。今年のオランダにとってのもう一つのハイライトはクイックステップのニキ・テルプストラによるツール・デ・フランドル勝利。パリ〜ルーベでも3位に入り、ジルベールのアシストで終わらないところを見せつけました。
フランス(124勝)
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山岳系のティボ・ピノ、ロメン・バルデやスプリント系のアルノー・デマール、ナセル・ブアニをはじめとしたエース級の選手がたくさん出てきて、一時期の不振から抜け出した感のあるフランス。今年一番気を吐いたのはアラフィリップ。2015年辺りからその只者ではない走りに注目していた人は多かったと思いますが、今年はしっかり結果がついてきた年でした。フレシュ・ワロンヌ優勝に加え、ツールでのステージ2勝+山岳賞、さらにクラシカ・サンセバスチャン優勝と、タイトルを総なめにした一年。脂が乗り切った26歳は今後も多いに暴れてくれるでしょう。
イタリア(161勝)
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第一位に輝いたのは、フランスと双璧を成す自転車大国のイタリア。ジロとヴェルタで計8勝をあげたビビアーニの大活躍、ニバリのミラノ〜サンレモ優勝が記憶に残っていますが、エース選手の強さ以上に選手層が厚いのがイタリア。自転車人口の多さと、それに伴う選手層の厚さが圧倒的な勝利数の秘訣だと思われます。ただ、その中身を見てみると、むしろ今年はイタリアにとっては不本意な年だったのかもしれません。スター選手を長年に渡り輩出し続けてきたイタリアは、総合系若手選手の突き上げを夢見ています。
最後に
ちなみに日本はどうなのか?というと、一番大きな勝利は新城選手のツール・ド・台湾(カテゴリー1)総合優勝。ナショナルチームとして出場して結果を残したことに大きな意味があるのではないでしょうか。頑張れニッポン。新城・別府に次ぐ才能ある選手がなかなか出てこない現在の日本自転車界ですが、最近のロードレースブームを追い風に、元気の良い若手選手が現れるのを楽しみに待っています。
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