世紀の好敵手、マチューVSワウト戦いの系譜をジュニア時代まで遡ってみた。
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手に汗握る好勝負となったロンド・ファン・フランデーレン。

世界中が予想したであろう、しかしまだ実現されていなかった展開。ロードレースにおけるワウト・ファンアールト(以下、ワウト)とマチュー・ファンデルプール(以下、マチュー)の1対1の戦い。シクロクロスで幾度となく繰り広げられ、ファンがいつロードレースでも見れるのかと何度も思い描いただろうシーン。

興奮冷めやらず、勢い余って彼ら二人のライバル物語を2012年まで遡ってみました。その豊かな表情にもくぎ付けです。

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2011-2012年。はじまり。

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2011-2012年シクロクロスシーズンと、それを締めくくる世界選手権。当時ティーンエイジャーだったマチューとワウトのライバル物語はここからはじまりました。まだ幼さが残る顔の二人の世界の舞台での初勝負はマチューに軍配が上がり、ワウトが2位。

翌2013年の世界選手権では別カテゴリーでの出場。ワウトはU23で3位、マチューはジュニアで連覇します。ちなみにマチューはこの年のロードレース世界選手権ジュニアにも出場し、シクロクロス&ロードレースでのジュニア2冠を達成。2012-2013シクロクロスシーズンを30戦全勝という不滅の記録を残しています。

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続く2014年世界選手権、二人は再び同カテゴリーのU23へ出場。ここではワウトがマチューを破って優勝します。

2015年。突然やってきた二人の時代。マチューが世界選手権初優勝。

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翌2015年。本来であればまだU23にカテゴライズされる二人は飛び級でエリートに参戦し、一気に世界一にのし上がります。マチューが21歳にして優勝、初の世界王者に。ワウトは2位。シクロクロスシーンに突然二人の時代がやってきました。

2016年。ワウトが雪辱を果たし世界王者に。

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2016年はワウトが前年の雪辱を果たし世界選手権初制覇。一方のマチューは5位に終わります。2015-2016シーズンのワウトは向かうところ敵なしの強さを見せて、シクロクロス「グランドスラム」(3大シリーズ戦(ワールドカップ、スーパープレスティージュ、DVVトロフィー)すべてのシリーズ王者となること)を達成しました。

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2017年は好調を維持したワウトが世界選手権を連覇した一方、マチューは4度のパンクにより遅れを喫し2位。喜びが爆発するワウトと、不貞腐れた表情のマチューのコントラストが印象的なポディウムでした。

2018年。ターニングポイント。

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2018年にはワウトが世界選手権3連覇を達成。一方のマチューは3位と再び栄冠を逃します。

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マチューVSワウトの戦いがロードでも注目を浴びたのが2018年欧州選手権。トレンティンが優勝したその後ろでマチューとワウトの間で散らされた火花が、のちの彼らの活躍を示唆していました。

そしてこの年、ワウトはロードレースを主戦場とするユンボ・ビスマへの移籍を発表。マチューも移籍こそしないものの、春先クラシックをはじめとするロードレースへ積極的に出場していくことを公言。シクロクロスの王者たちがロードレースでどれだけ走れるのか、徐々に期待は高まっていきました。

2019年。エイリアンがロードレースにやってきた。

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二人のロード参戦でにわかにロードレースファンの注目を集め始めた2019年のシクロクロス世界選手権はマチューが優勝。2016-2017シーズンから3シーズン連続でワールドカップ年間王者になっていたマチューですが、世界選手権ではワウトに3年連続で負け続けた雪辱をここで晴らします。

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春先のクラシックではマチューが勝利を量産。アムステルゴールドレースで世界のロードレースファンに衝撃を与えます。

善戦しながらも春先クラシックでは勝ちきれなかったワウトは、続くドーフィネでステージ2勝。ツールでもステージ2勝と大車輪の活躍を見せます。しかし、3勝目を狙った個人TTステージで沿道フェンスに衝突して落車。重傷を負いシクロクロスシーズンを棒に振ってしまいます。

2020年。そして物語はつづく。

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ワウトがツールで負った重傷からの復帰後すぐとなった2020年シクロクロス世界選手権はマチューの独壇場に。ワウトは4位と健闘しています。

その後ワウトの怪我も順調に回復し、いよいよ春先のクラシックで二人の戦いが再び幕を明ける。。そんな期待が高まる中、やってきたのがコロナ禍。しばらくスペクタクルはお預けとなりました。

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コロナ禍後再開したロードレースシーンでまず火を吹いたのはワウトでした。ストラーデ・ビアンケとミラノ~サンレモで立て続けに優勝、ベルギー選手権TT王者になりツールでもステージ2勝を収めます。

一方のマチューはストラーデ・ビアンケでは15位、ミラノ~サンレモでは13位とまずまずの成績を残すもののワウトの後塵を拝し続けます。しかし、オランダ選手権での優勝を皮切りに、ティレーノアドリアティコで1勝、ビンクバンクツアーでステージ1勝&総合優勝と徐々に調子を上げていきました。

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そして先日のロンド・ファン・フランデーレンで二人のレース先頭での戦いが実現。近年稀にみるスーパースター同士の力と力のぶつかり合いが、多くのファンの心を震わせたのです。

かれこれ10年近く続いている二人の戦い。きっとこれからも、沢山のスペクタクルを見せてくれるに違いありません。

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