ベルナルvsログリッチの裏で。ツールに向け過去グランツール王者たちの調子はいかに。
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ヴェルタ・ア・ブルゴス&ツール・ド・ポローニュでのエヴェネプールの活躍、ストラーデビアンケ&ミラノ~サンレモでのワウト・ファンアールト初モニュメント制覇など、レース再開後すぐにお腹一杯なドラマを届けてくれているロードレース。

今回の記事では今月末から始まるツール・ド・フランスに向けて総合系選手がフルラインナップで出場した、ルート・ド・オクシタニーとツール・ド・ランでの各選手の走りを振り返ります。ルート・ド・オクシタニーは2019ツール覇者エガン・ベルナルが、ツール・ド・ランは2019ヴェルタ覇者プリモシュ・ログリッチがそれぞれ総合優勝と勢いのあるところを見せつけた、というところは良いとして、彼ら2人以外の過去グランツール優勝経験者のしあがりはどうなのでしょうか?

8/12から始まるクリテリウム・デュ・ドーフィネでもチェックしておきたい選手をまとめ。

注目を集めるフルームのツール出場可否

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2011ヴェルタ、2013ツール、2015ツール、2016ツール、2017ツール&ヴェルタ、2018ジロ優勝のクリス・フルーム。下馬評を覆して優勝したベルナルやログリッチ並み、もしくはそれ以上に注目を浴びているのがクリス・フルームがツールに出場できるのか否か?というトピックです。

ツール・ド・オクシタニーでは総合37位、ツール・ド・ランでは総合41位とバウク・モレマに「I don't actually count Froome anymore((今年のツールでは)フルームはもはやライバルじゃない)」と言われてしまうほど調子は芳しくありませんでしたが、ベルナルのアシストをしっかりこなしてのこの結果というのもまた事実。ツール開幕まで、もうあと20日。いや、まだあと20日。イネオス陣営はどんな決断を下すのか、まずはドーフィネでの走りが気になるところです。

ゲラント・トーマスはまだ調整中か

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続いて2018年ツール優勝のゲラント・トーマス。ツール・ド・ランではアシストに徹して自ら最後まで追い込む走りは見せず総合34位でした。仕上がり具合は未知数ですが、仮にトップ・パフォーマンスに戻すことが出来なかったとしても平地・山岳共にアシストとして頼れることからツール出場は確実と目されています。

デュムランが420日ぶりのレースで復活の兆し

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2017年ジロ優勝のトム・デュムラン。昨年のジロでの落車DNF&ドーフィネでのDNF、そしてひざ手術+長期戦線離脱。さらにユンボビスマへの電撃移籍など激動の一年を終えてレースに復活したトム・デュムランはツール・ド・ランが実に420日ぶりのレースでした。第1&第3Sでは最終盤までエースのログリッチをアシストして総合優勝に貢献。自身も総合11位でレースを終えています。ログリッチの強さそのものとクライスヴァイク&ベネットの安定感もさることながら、デュムランの復活がユンボ・ビスマの勢いを加速させていることは間違いありません。このままデュムランがツール後半に向け調子を上げていくようであれば、チームメイトのログリッチにすら脅威になりうる可能性も。

キンタナが地味に上がり調子。

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2014ジロ、2016ヴェルタ優勝のナイロ・キンタナ。デュムランやGトーマス、フルームとは異なり、チームの絶対エースとしてツールに臨むことが確実なキンタナはモンヴァンテュ・チャレンジの8位、ツール・ド・ランではログリッチとベルナルに次ぐ3位と上り調子です。ここ最近はグランツールの表彰台に届かない状態が続いているキンタナ。新チームで挑む今年を再ブレイクの年とできるのか。

アルがやや好調。

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2015ヴェルタ優勝のファビオ・アル。ニバリの後継者と若くから期待されながら、病気等でここ数年思うような結果が出せていなかったファビオ・アル。ヴェルタ・ア・ブルゴス総合9位、モンバントゥ・チャレンジ5位、ツール・ド・ラン総合10位とやや好調です。グランツール優勝経験者としては物足りないリザルトかもしれません。しかしポガチャルのアシストを素直にこなせるのであれば、強力な戦力になるはずですが果たして。ここまで紹介した全選手ドーフィネに出場予定なのですが、アルはドーフィネ出場を見送りイタリアで開催されるワンデーレース連戦に向かうようです。

おまけ1。ツール以外を見据えるグランツール優勝者たち

さいごにツールではなくジロを狙う過去グランツール優勝選手たちをさくっとご紹介。

2019ジロ優勝のリチャル・カラパス。

ヴェルタ・ア・ブルゴスとツール・ド・ポローニュともに20歳エヴェネプールの後塵を拝していますが、早掛けスプリントでイネオス移籍後初勝利を手にしており調子は悪くなさそう。

2018ヴェルタ優勝のサイモン・イェーツ。

ヴェルタ・ア・ブルゴスとツール・ド・ポローニュではカラパスと同じくエヴェネプールの後塵を拝すもポローニュでは3位と上がり調子。

2010ヴェルタ、2013ジロ、2014ツール、2016ジロ優勝のニバリ。

現役選手の中ではフルームと並んでグランツールすべてを制したことのある稀有な選手。トレックはポートとモレマをツールに送り込み、ニバリをジロに送ります。

おまけ2。忘れちゃいけないバルベルデ。

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過去5年以前の成績なのでおまけですが、2009年ヴェルタ優勝のアレハンドロ・バルベルデも忘れてはいけない存在です。ヴェルタ・ア・ブルゴスでは山岳ステージで集団から早々に脱落し総合15位とトップ・パフォーマンスではないものの、第1Sの登りスプリントで3位に入りキレのある走りが健在であることを見せました。

 

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