【破裂しそう】ツールを走り終えた選手の脚の血管が浮き出る理由が判明
Photo by Wolfgang Hasselmann on Unsplash

2017年のこと、ツール・ド・フランスに出場選手がSNSにアップした自らの脚の写真が話題になったことがありました。

そのときの写真がこちら。

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BBC、Timesなどの世界的なニュースメディアがこぞって掲載。

私も、電車の電子掲示板に突然「ツール・ド・フランスを走った選手の脚」と表示されたので、おやおや?と思ったのを憶えています。

世界的にバズったこの脚の持ち主の名前はパウエル・ポランスキー。ボーラ・ハンスグローエに所属する選手です。

これに触発されてかどうかはわかりませんが、他の選手も続きました。

こちらはロット・スーダルのマルチンスキーの脚。


続いてクイックステップのエンリク・マスも「私の脚」シリーズを投稿。


残念ながら2番煎じは大したバズを生み出しませんでしたが、もうなんというか、すんごいですね。

葉っぱみたい。

なんで自転車選手の脚の血管はこんなに浮き出るの?というのが今回の記事の内容です。

参考記事:Here’s the science behind why Tour de France rider’s legs are so veiny

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理由1:体脂肪率が普通の人の3分の1。

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まずはお医者さんの意見から。

Times紙には医師のマーク・ポーターによれば、ちょっと騒ぎすぎだということです。

確かに極端な例かもしれないが、これは至って普通の現象だ。気温が高いなかで運動をしたあとでは誰でも同じような状態になる。皮下脂肪がおおいから普通の人にはみえないだけだ。

マーク・ポーター(医師)

いわれてみればそうかもしれません。

プロ選手の体脂肪率はだいたい6-8%程度で、普通の人は20%くらい。

それだけ違えば、見た目も違うでしょうと。

理由2:血管が多い、そして太い。

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でも本当にそれだけなのでしょうか?

運動生理学者のジェイミー・プリングルに聞いてみました。

プリングルによれば、真実はTimes紙でマークが言ってるほど単純な問題じゃないみたいです。

みんながみんな血管が浮き出ないのは、痩せてるか太ってるか、もしくは体脂肪率だけの問題じゃない。

ジェイミー・プリングル(運動生理学者)

じゃあなにか?

体脂肪率と同じくらいに重要なのが血管システムです。

プリングルは続けます。

トッププロ選手たちは普通の人より血管が多い。主に、目に見えない毛細血管が普通の人より発達しているのだが、動脈や静脈と言った目に見えるレベルの血管でも普通より発達している。そんなに多くの血管が新たに増えるわけではなく、大量の酸素のやりとりのために血管が大きくなる

ジェイミー・プリングル(運動生理学者)

言い換えれば、過酷なトレーニングに身体が順応するために、酸素供給能力とCo2排出能力が高める必要が出てくるのです。

そのためには、血管の表面積が大きくなければなりません。

表面積を大きくするためには、血管をより大きく、より多くする必要があるのです。

ツール・ド・フランス第16ステージ、ポランスキーが165kmものあいだ酷使し続けた脚は、血中の酸素を求めて何時間も叫び続けていたのです。

そして拡大した血管が脂肪のない脚の表面に浮き出てきた。そういうことです。

理由3:血の量が普通の人の2倍。

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そして大事な要素がもう一つ。

血管だけじゃなく、彼らが持ってる血の量そのものも普通じゃないのです。

一滴二滴とか、そんなレベルじゃありません。

過酷なトレーニングを積むと、Hypervolemia(循環血液量増加)と呼ばれる状態になる。その血液量の違いはめちゃくちゃ大きい。普通の人の血液量は約5リットル、体重1kgあたり約50~75ml(5~7%)だ。一方、世界クラスの持久力アスリートは、体重1kgあたり最大150ml(体重の15%)を持てる。合計で2〜3リットルの違いだ。

ジェイミー・プリングル(運動生理学者)

プロ選手は、平均的な成人男性と比較して体重あたり2倍の血液を持っている場合すらあるのです。

彼らの脚の血管が破裂するように見えるのも不思議ではありません。

最後に

つまり、プロ選手みたいな脚にするには、

体脂肪率3分の1にする×血管を太く多くする×血液量2倍

を3つ同時に達成すれば良い。

正気の沙汰じゃありません。

巷で噂になっている絶滅したと思われた血液ドーピング(未遂?)。

決して許されることではないですが、ドーピングという安易な方法に頼りたくなる気持ちも理解できなくもないな、と思ってしまいました。

トッププロ選手は本当にすごい。

さて、今日は砂利道レースで有名なストラーデ・ビアンケ。そんな超人たちの戦いを楽しみましょう。

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