TDU一番のダークホース、パトリック・べヴィン飛躍の理由。

ツアー・ダウンアンダー第2ステージでサガンとユアンを下して勝利。現在総合首位。

パトリック・べヴィン。聞いたことない。

ということで、早速調べてみました。

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パトリック・べヴィンのプロフィール

  • 誕生日:1991年2月15日(27歳。もうすぐ28歳。)
  • 出身地:ニュージーランド・タウポ
  • 体重:75kg
  • 身長:180cm
  • プロ通算勝利数:6(TDU含む)
  • Instagram(@paddybevin)フォロワー:約4,000人
  • Twitter(@PaddyBevin)フォロワー:約2,000人

2010年、アメリカのコンチネンタルチームBissel Pro Cyclingでプロデビュー

ニュージーランドのローカルレースで活躍して、ニュージーランドの年間MVPジュニア選手に選出された弱冠18歳のべヴィンは、アメリカ行きを決意。コンチネンタルチームBissel Pro Cyclingでプロデビューします。

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2015年、NZのコンチネンタルチームAvantiで3勝。

アメリカでの修行を終え、ニュージーランドの強豪コンチネンタルチームAvantiに移籍した2015年、べヴィンは少しずつ結果を残し始めます。

オーストラリアで行われたカテゴリー1のヘラルド・サンツアーの第4ステージのヒルスプリント。ワールドツアーの第一線で活躍中のキャメロン・メイヤーやサイモン・クラークを抑え、プロ初勝利を手にします。その勢いのまま、ツアー・オブ・台湾の山岳ステージで勝利、ツール・ド・コリアでもカレブ・イワンを破ってステージ勝利をあげました。

山岳でもスプリントでも、マルチに活躍する選手へと成長を遂げます。

2016年、キャノンデール・ドラパックでワールドツアーチーム入り

Avantiで結果を残した次の年。

25歳になったべヴィンは、NZの個人TTチャンピオンタイトルを手土産に、夢のワールドツアーチーム入りを果たします。

キャノンデール・ドラパック加入直後のツアー・ダウンアンダーでは総合10位。同年のヴェルタではグランツール・デビューを果たすものの、無念のDNFとなりました。

2017年はツール・ド・フランスにウランのアシストとして出場。ウランの総合2位に貢献します。

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2018年、BMCに移籍。ハンドル高を4cmあげる。

2018年は心機一転、リッチー・ポートとグレッグ・ヴァン・アーヴェルマートを2大エースに据えるBMCに移籍。

シーズン序盤のティレーノ~アドリアティコ個人TTで14位という結果に納得できなかったべヴィンは、ポジショニングを大幅に見直す決断を下します。

何をしたかというと、「ハンドル高を4cmあげること」

この4cmという数字は、全く異なるポジションになることを意味します。

この大改造の結果、べヴィンはTTでの才能をさせます。ツアー・オブ・カリフォルニアの個人TTステージ2位をはじめ、一桁順位を連発。ツール・ド・フランスではTTTステージでBMCの勝利に貢献しました。シーズン最終盤の世界選手権個人TTでもトニー・マルティンに次ぐ8位というリザルトを残します。

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"There was an old school thought that the lower you got your hands and the lower you got your body the better off you are, but it's a complete fallacy and that was my first learning curve. When you come through with these sports science guys who are telling you to go low it's very hard to say 'I've raised my bar 7cm'. 

(訳:昔はよく、ハンドル高を下げて空気抵抗を減らしたほうが良いと言われていたけど、そんなのは迷信だ。僕はハンドル高をあげたことで、より少ないパワーでより速く走れるようになった。)

TTスペシャリストになることを決意したべヴィンはシーズンを通してラボに通い、エンジニアと風洞実験などを通して研究を積み重ね、ポジションを突き詰めていきました。

そして、BMCからスポンサーがCCCに変わった2019年、べヴィンはついにワールドツアー初勝利を手にします。しかもTTステージでなく、スプリントで。TTのために培ったパワーとポジショニングの研究が意外なところで結果につながったのです。

I'm never going to be happy with my position until I'm winning. <略> In the past some of the guys who were specialists were simply good at it because they had the power, now you can't get away with that. You need the power and the position because the position is too important.

(訳:僕は、勝つまでポジショニングに満足することはない。<略>バイクが変わったり、ヘルメットが変わればポジションも変わる。昔はパワーだけあればTTに勝てたかもしれないけど、今はそんな時代じゃない。)

CCCは、本人の希望通り、べヴィンの今年のレーススケジュールにはできるだけ多くのTTを組み込んでいます。

彼の今年の目標は

「ツール個人TTステージ勝利と、世界選手権個人TT勝利。」

楽しみな、遅咲きの男が現れました。

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最後に

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べヴィンを一言で言えば、目立った成績は皆無。SNSのフォロワー数をみても、あまり認知されてない選手であることは間違いありません。

ツアー・ダウンアンダーでの勝利は彼にとって大金星だったと言っていいでしょう。そんな彼の飛躍の秘訣がポジショニングの大改造だったとは興味深い話です。

進化し続けるには、常識を疑って変わり続けるしかない。そんなことを実感するエピソード。

べヴィンは、今年はティレーノ~アドリアティコやツール・ロマンディ、ツール・ド・スイスといったステージレースを中心に出場し、夏にはツール・ド・フランスへ出場も予定されています。

今日のステージ、そして今シーズンが非常に楽しみな選手です。

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